社会の窓

今日は、教育系の大学(Teaching job)と研究系の大学(research job)のちがいについて。


大学の教員のお仕事は、基本的に3分野に分かれます:教育、研究、サービス。 教育と研究の比重によって、その大学が教育系か研究系かに分かれます。 


まず、研究系から。
いわゆるビッグ・テン スクールといわれるアメリカの州立大学に加えて、アイビーリーグなどの私立の学校(ハーバードとか、イェールとか)は、研究に重点をおく学校ですので、採用される先生たちは研究をしてなんぼ。 生徒からもらう授業の評価は二の次で、発表した論文の数、出版した本の質・数などで終身雇用および昇進の審査がされます。 そのため、研究機関の大学に勤める先生たちは、教える授業のコマ数が少ないのです。この授業のコマ数が、まず教育系大学との区別の基準のひとつになります。


この研究系大学のなかでもランキングがあります。ランキングといっても「どこがエライ」とか「入るのが難しい」とか「頭がいい」というわけではありません。 研究におく重点の濃度がちがうということです。


Big Ten 大学は:

ビッグ・テンの何がビッグかというと、生徒数、資金力、フットボールチームをもってるか、それにどれぐらい投資しているかなど、そういう基準のようです(詳しいことは、ちゃんと調べてまたあとでアップします)。 ですので、ビッグテンだから「いい」ということはありません。


ちなみに、アイビーリーグは:

追記:しれっとウソついとりました。ペンシルバニア大は私立です。

これ、みんな東海岸です。 アイビーリーグの歴史は、またいつか。



研究におく比重の大きさで、研究機関もR1(リサーチ・ワン)もしくはtier 1 (ティアー・ワン)、R2、その他に分かれます。 これもそこの大学・大学院に入るのがむずかしい、という基準ではなく、研究につぎ込まれてるお金(理系の学部が大きければ、もちろんこのふり幅がものすごく大きくなるわけですが)、1年間に与えられる博士号の数、等々によって決まります。 したがって、学部ごとにR1かどうか区別するのではなく、大学ごとに区別されます。 


R1の大学で教鞭をとっている先生は、1学期に受け持つクラスが(学部・院をあわせて)1〜2ぐらいです。 それに加えて、授業免除などのいろいろな制度があるので、教える授業数をできるだけ減らして研究の時間をつくるように組織されています。


私の通っているミネソタ大もそうですが、こういう研究機関は大きいサイズの学校なので、とくに学部生の数をかんがえると、先生たちが1〜2クラスもっているんじゃ、全員を教えることができない。だから、ティーチング・アシスタントという職ができます。 アシスタントの役割は学校・学部で変わりますが、基本的には教授が週に1度大きい講堂で講義して、週に1〜3回の個別のディスカッション・セッションをアシスタントが受け持つ、という形がほとんどです。 まず、アシスタントを相当数やとうということができる時点で、大学の資金力がちがってくるわけです(といっても、院生のアシスタントの給料は、ものすごーーーーーーく少ないですが! こういうのを搾取といわずして、なんという!ドン! ←机をたたいてみる フガー


ちなみに、私の在籍している大学院では院生が先生としていろんなクラスを受け持っています。この点では、院生にすごく信頼をおいてくれる大学院なのですごくいい経験になったし、クラスを自分でデザインして受け持つという経験は就職活動では他の大学の博士候補生と差をつけることができたので、有利になりました。 



また長くなってきました。
私が就職したのは、教育系の大学です。それについては、また次回。