社会の窓

去年の夏あたり、Trader Joe's というあたらしいスーパーがミネアポリスにやってきました。全米で急速に展開しているこのチェーン店、基本的なコンセプトが「グルメな食品を気軽に買えるお値段で」ということで、中・上流家庭でけっこうはやってます。ただ安いというだけれはなく、有機野菜・食品を積極的にあつかったり、環境にやさしい経営を前面におしだしたり、地域コミュニティーの責任ある一員と自負していたり、と「良心的」なイメージで展開しているスーパーなのです。 

トレーダー・ジョーズ
http://www.traderjoes.com/


資本主義も、商品の質だけでは物がうれない時代に入りましたね。倫理・道徳的価値をつけないと、売れない。だから、corporate social responsibility(企業の社会責任)がここ最近さかんですね。 


例えばスターバックス。 Ethos(エトス)というボトル・ウォーターを売っていますが、これは収益の一部をラテンアメリカだかアフリカだか、恵まれない子供たちのの住んでいる地域発展のために使いますよ、オレら、利潤追従だけじゃなくって、他の人のこと、地球のこと考えてるぜ! ということでしょうか。  


こういう「良心的」姿勢がかならずいいことだとは、わたしは思ってません。ほんとに考えてるんだったら、途上国がIMFからお金借りるときに水権利を放棄させて、コカコーラとかがその水権利を買ったりするなんてできないようにするとか、そいう国際政治的働きかけやってよ。とか、思うのです。 


もちろん、こういう姿勢が必ずしも間違っているとも思ってないけれど、道徳的・良心的なことは、ほかのことと同じように「悪」をはらんでいることだってあるわけで、倫理的・善意的な乗り物にのって言説(お金や商品も含めて)が循環するときは、そうでないものによって言説が旅するときとは、きっと違う旅の仕方をする。その効力のちがいを考えるのが、わたしの研究対象です (わたしはこれを道徳経済、道徳的統治とよんでます)。  


話がおもいっきり横道にそれました(笑)(私の人生、こんなん多いなぁ・笑)


で、Trader Joe's。
今日初めて行ってきました。 いやぁ〜 このスーパー楽しいねぇ。いつもだったらだったら気になるけどビビって買えない商品が、安くある。 たとえば、アーティチョークのスプレッド。 前菜に、サンドイッチに、なんてお洒落ですねぇ。だいたい$5前後で売られてるものが$2.99。一般的なブルジョア・スーパーでは$8前後のスモークサーモンが$4.80とか。 いわゆる生活必需品じゃないけれど、たまにはこういうのもいいなーと思うものが、ほんとに割安で売ってある。しかも、ふだん高いことを知ってるだけに、この値段見ると得した気分に。 


ひとしきりうろちょろした後、オリーブオイルと黄色の花束(なんていう名前なんだろ?)、そしてスモークサーモンを買ってきました(←贅沢してみた) お花の写真は、あとでアプします(ただいまお向かいさんのカフェでおべんきょ中にて・・・・ ホントかよ、ってツッコミはなしね♪


楽しくショッピングできて、しかもそれが「良い」ことに繋がるってんだから、買い物したあとに「オレ エライ!」感が強まる気持ちがよくわかるなぁ。