社会の窓
論文発表がなかった今回の学会では、大学院でお世話になった先生にご挨拶して、これからのアドバイスをもらうのがメインの目的です。備忘録がわりに、今日は学術やこれからのキャリアに関してもらったアドバイスを書くことにします。
まずは修士時代のアドバイザー、バリー先生と朝ごはん。
奥さんと別れることになって、去年の学会で会ったときは大ダメージを受けていたバリー先生。すこしづつ元気になってるみたいで、一安心。 ひげをのばしていて、サンタクロースそっくりになってました(笑)。
今勤めている大学から別の大学へとステップアップするには、学術的な研究出版をすることが必要条件です。 バリー先生からのアドバイスは、こんなかんじでした。
- 初任の大学に長くいればいるほど、それだけ移動しにくくなる (できるだけ早く転職しろ)
- 私たちの学術分野では、研究は本ではなくって学術雑誌に発表しないと知名度が上がらない
- 自分の発表した論文を、ほかの人がどう受け取るかなんて考えるな
この3つ目、バリー先生らしいです。
研究というのはきっと自分の誇りと劣等感との戦いで、『恥ずかしくないもの『を書こうとしていると、いつまでたっても論文は書きあがりません。 私は人から自分がどう受け取られるか、すごく気にしちゃうタイプ。基本的にビビリなんです(笑)『こんなんじゃ笑われるかも』と思って、自分の論文に自信もてずに論文発表をためらってしまうところがあります。それをよく知っているバリー先生、
What other people think about who you are is none of your business
(他人が君の事をどう思うかは、君のしったことじゃない)
他人がわたしのことをどう思っているかを気にする必要がないだけではなくって、わたしにはそれをほっておく義務があるそうです。ほかの人の頭のなかのことですからね。 ほかの人の頭の中を気にするなんて、おせっかいだって。
ほんと、そのとうりだね。バリー先生、ありがとう。
次にあったのは、博士論文のアドバイザーのロン。スケジュール管理がへたくそなところは、相変わらず。あやうく待ち合わせをすっぽかされるところでした(笑)
Biribiの勤める大学では、たくさんの留学制度があります。留学課をしきる先生から、あたらしい留学プログラムをつくってみない?と声をかけていただいたので、どんなふうに留学のコンセプトを展開していこうか、スターバックスでお茶しながら相談してみました。
- 留学プログラムを作る仕事は断れ
(プログラム作成にものすごく時間をとられるから、研究する時間がなくなる。それは、いまやらなくてもいいこと。テニュアとってからでもやれること)
- これからの研究は、おおきく学術がどの方向に向かっているか知る作業から(大学院でやること)、自分の研究対象に関連するものに集中すること。たくさんの学術雑誌を読むよりも、関連する論文が発表される雑誌に集中すること
- いまから3年以内に新しい学校に移動できるめどをつけるために、学術雑誌に論文を3本は発表すること。 その過程でいろんなひとから論文にフィードバックをもらって、博士論文を本にする準備をととのえること。
次に会ったキャンベル先生からも、ロンと似たようなアドバイスをもらいました。
- 留学プログラムを作る仕事は、いまやるべきではない
- 博士論文を本にする作業にすぐ入りなさい。 まず、論文の全体要旨を3ページぐらいにまとめて、出版社に送ること。
- 博士論文を書き直してから、出版社探しをしないこと。出版先によって、書き直しの方向なんかは変わるので、時間の無駄になる。出版の契約をしてから書き直すこと。
留学プログラムを開発するのは、正直言って楽しみにしていたのだけれど、そうか、そんなデメリットがあるのね。考えもしなかったし、ちょっとがっかりだけれど、とてもいいアドバイスだと思う。 せっかく私のベストのためにアドバイスをくれてるんだから、先生たちの期待にこたえないとね。
来学期中に、論文を1本学術雑誌に発表する! 来年の抱負ができました。