写真

蚤の市で。 
広げたスーツケースの中に無造作につみ上げられたモノクロの写真の数々。 セピア色のものから、何てことない風景のスナップショットまで。 一枚1ユーロか2ユーロ。 いろんな時代の、いろんな人たちのポートレートや家族写真の中へと伸びる手。  買い手たちは、どの時代の断片を、どの生活のかけらを現在につれてくるのか。 あるいは、つかんだその先の、どの時へと、写真は伸びる手をひいて連れて行ってくれるのか。