社会の窓

今日の午後は、入学式。 新しい学期のスタートです。 

例年のごとく、先生たちはあのマントを着て参列。 今年は大学長の就任式も兼ねているので、なんだか壮大です。 


バグパイプの生演奏の中、マントを着た先生たちがぞろぞろとコンサートホールへと入場です。 州の教育関係のおエライさんやら、近隣の大学からの客賓、たくさん寄付してくれる地域のビジネスリーダーとか、やたらめったらたくさんの人が集まっています。 


大学長は、どうもかなりのナルシスト。 去年就任したのに、今頃、壮大な金額をかけての就任式。 新入生の入学式がオマケっぽくなってしまってます。 


国旗掲揚、国歌斉唱の後に続く、スピーチの数々。
どれもこれも、大学長を称えるスピーチばかり(新入生に向ける言葉はどうしたんだ、え?!) その中でも秀逸だったのが、うちの学部のゴリラ女史。 そりゃぁもう、聞いていて感心してしまうほどの、大学長への賛美歌ならぬ、賛美スピーチ。 あとで、もちろんカモノハシ先生と笑いの種にさせてもらいました(笑)


音楽部のオーケストラによる演奏のあと、やっと退場。 マント着たまま立食のパーティみたいなのが開かれているのですが、Biribiもお友達の先生も、速攻で脱出。 



新学期が始まる前日、しかも日曜日に借り出されているせいか、けっこう全体の雰囲気がビミョウなのです。 


経済不況の中、新しい大学長がきて、構造変革がどんどんトップダウンで行われていきます。その中で先生たちは問答無用に振り回されて、かつ抵抗が許されていない。 Biribiのように、テニュア(終身雇用)を持っていないジュニア職員はもちろんのこと、テニュアをもっている先生たちの間でも『ひょっとしたら首にされるんじゃないか』『大学長ににらまれたら何が起こるかわからない』といった漠然とした不安が取り巻いているようにみえます。 



新しいボスがやってきて、誰が仲間なのか、そうじゃないのかが曖昧になってしまったのかもしれません。 その不透明な世界では、個人的利害がコンパスの針となって、政治的な狡猾さ、猜疑心、期待、自己防衛、無力感、倫理観なんかを織り交ぜながら、新しい力関係を編んでいっているようです。





だから、みんな抜き足差し足。
ピリピリ、ピリピリ。


 
濁流のなかで気張って立っているだけの気力と勇気と自信と信念なんて、自分が持ち合わせてるかどうかはわからない。



だけれど、この力学の磁場で、流されないように、ふんばること。



新しい学期の、幕開けです。