社会の窓

以前にも何度か書きましたが、アメリカの大学では就任してから5年目あたりに、終身雇用(テニュア)のための審査があります。 


景気が悪くなったり、保守でおつむの悪い人が政界を占めてくると、かならず『テニュア制度をなくせ』という議論がもちだされます。 がっつりどんとこい!保守の南部ジョージアでも、この手の議論はしょっちゅ議会で出されています。 


テニュアを獲得した後は研究しなくなる人がたくさんいて、クビに出来ないからお金の無駄だ、ということのようですです。



が、学問の世界ではテニュア制度は必要です。
学問の自由あってこそ、ラディカルな思考は生まれます。 
マーケットの理論で思想を制御したいという欲望は、危険です。 



ま、これについては、いつか詳しく。



Biribiは今の大学からお仕事をもらってまだ2年半しかたってませんが、テニュア審査の準備のために、プレ・テニュア・レビューというのがあります。 だいたいお仕事について3年目あたりに行われるもので、ここで正式に学部から評価をもらって、残りの2年をテニュア審査のために有意義に使えるように、というシステムです。  こういうのは、前向きでいいですよね。



んで、Biribi、今学期がそのプレテニュア・レビューだったのですよ。



この内容は学部・学校でかなり変わると思いますが、うちの学校ではポートフォーリオ(業績を『ティーチング、研究、サービス』の3カテゴリに分けて、レビュー委員の先生たちに提出します。



レビュー委員会は、うちの学部では学部内のテニュアを持っている先生(准教授か教授)3人と、学部外からの先生一人で構成されています。 



ちなみに、Biribiの審査はカモノハシ先生が率先して委員長をやってくれています(笑)



提出するポートフォーリオは、先学期の終わりからはじめてたのだけれど、これが時間がかかるんですよ。 学会発表の記録とか、授業のシラバスとか、いろいろ集めて、『あっし、こんな仕事したんですけどね、どうっすか?』って感じでまとめるのです。



これを、この間提出したばかり。 
今日は、委員会の先生たちが集まって審査会議だそうです。 うは。 




2年半分の時間を振り返ってみるのは、とてもいい作業でした。
授業の構成や研究がどんな風に進化してるか、停滞しているか、これから何がしたいか、そんなことを確認しながらまとめるのは、自分にとってすごくよかったです。


自転車操業で毎日仕事をしてたから気がつかなかったけれど、思っていたよりもいい軌跡が出来てると思います。 特に不安になる要素もないし。  


来週あたりにレビュー委員会の先生たちから、じかにアドバイスをもらえる予定。 
2年後のテニュア審査への準備のために、どんなアドバイスをもらえるのか、楽しみです。