社会の窓

セミナー4日目(そういえば、日本語ではゼミっていうんだった)。 
明日の午前中に残りの文献のディスカッションをしておしまい。


早いようで、長いようで。
いろんな人としゃべって、笑って、考えて、シェアして、すごく密度の濃い毎日だったのに、なんだか夢のよう。 


松の町に帰ったら、もっと現実離れした経験にかんじるんだろうな。


ホロコースト生存者の方、二人の女性がセミナーに来てくれて、彼女たちの経験を話してくれました。


お二人ともとっても素敵な方で、涙なしには聞けないだろうな、と思っていたら。


お涙頂戴的な語り方を全くせず、とっても陽気に、辛い話を聞いているのに、私たちの心を開いてくれるような話をして下さいました。


お話のあと、セミナー参加者が『そんなに大変な経験をされたのに、どうしてそんなに明るく、前向きにいられるのですか?』とたずねたところ、 


『そうね、ちゃんとエクササイズして、ちゃんとご飯を食べて、健康にしているからかしら?(笑)  


でもね、大変な道のりだったけれど、私の人生の中には、強制収用所の前にも、後にも、たくさんの愛があったの。 たくさん愛されて、たくさん愛して』




この時点で、みんなの目にぶわっと涙が。



なんて力強い言葉なんだろう。


ホロコースト経験の話を聞いて、暗く、重く、沈んだ気持ちになるどころか、誰にでもできるとても大切なことに気をつかせて、明るく、建設的に未来に迎える気持ちに。



陳腐かもしれないけれど、愛したり愛されたりできるスペースを作り出すこと、維持すること。  ホロコーストスタディーズの根底的な課題なのかも。



この1週間の間に新しく学んだり、考え直したり、新しくでてきた考えなんかが頭の中をぐるぐると回っていて、消化するには時間がかかりそうだけれど、なんてすごい1年の始まり! 


明日松の町に帰ったら現実が待ってるのだけれど(ひょぇ〜)、こういう刺激のために生きてるんだって再確認ができてよかった。 


毎日の仕事の中に埋もれがちな研究を、どうやって救うかてこずってたところだったので、いい刺激受けて、新しい可能性をひろってきて、あー しあわせ。