社会の窓

晦日の今日は、やどちゃんのベルリン滞在最終日。 10日間のベルリン滞在のあいだ、ヴァリドゥラー家とリーク家は観光地かっつーぐらい、家族と一緒にたくさんの時間をすごしてくれたのですが、今日はふたりでお出かけ。 ベルリンにあるユダヤ博物館に行ってきました。

ベルリン ユダヤ博物館
http://www.kanshin.com/keyword/239778


ジグザグの線と直線が交わる形の建設で、美術館の建物自体がユダヤの人たちの体験を体現する形になっています。たとえば、美術館そのものには入り口がなくって、ぐるぐるさがすことに。並んでいる人がいなければ、美術館の隣にある関係のなさそうな建物に入り口があるって気づかない。


ホロコーストの道(軸)、亡命の道、継続の道と3つの軸に沿って、ハンカチ、スーツケース、タイプライター、石鹸、手紙などたくさんのひとの個人的なものが展示されています。 この3つの軸が交錯するので、展示物は直線的に見ていくことができません。それぞれの軸にそっていくと、別の軸に行くことができたり、突然行き止まりだったり、なにもない冷たい空間に出くわしたり。 


継続の道は2階の展示空間へと階段がつづくのだけれど、その途中に空間のポケットがあって、そこでまた迷子になったり、無の空間にであったり、自分がどの階にいるのか、どの位置にいるのかわからなくなる。 ユダヤの記憶が規制的な枠組みからでは理解できなくなるように、博物館の入り口でもらった地図が無意味なものに見えてくる。 


私はこの博物館は2度目ですが、今回初めて気がついた作品があって、とてもよかったものが。


単純に入り組んだ空間をたどっていった先の一つに、鉄製の顔の板が敷き詰められたスペースがあります。 手のひらぐらいの大きさで、3〜5センチほどの厚みの鉄版。今日の写真にあるように、顔の形にくりぬいてあって、五百羅漢のお地蔵さんのように、いろんな顔が彫ってあります。 体験型の展示で、無数に敷き詰められた鉄板の顔の上を歩いていくと、チャリ−ン・チャリ−ンんと鉄の音が反響して広がっていきます。


作者の方(名前失念)の言葉によると、ユダヤの絶望と希望のふたつをあらわしたものだそうです。 ベルリンのユダヤ博物館に行かれる機会があるかたは、ぜひ。 とても印象に残ったてんじでした。


地下から2階の展示へたどり着くまで4時間かけてゆっくりみてまわったので、やどちゃんもBiribiもぐったり。 ユダヤの歴史を語る2階では、もう頭も体も飽和状態で、いろんなことが吸収できなくなってる(笑) 2階のの展示は「またいつか」ってことで、新年のパーティのためにおうちに帰ることに。

ユダヤ博物館について、五十嵐太郎さんという方が書かれていらっしゃいます↓
http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/igarashi/011023.html


今日はジェニちゃんの実家、リーク家で大晦日のパーティー。 8時半ごろ全員集合してシャンパン飲んで、おやつ食べて、晩御飯には白身魚。 えびのカクテル、スモーク・サーモン、ゆで卵のキャビアのせ、パスタサラダ、等々、そのほかにもたくさん。 おやつにはもちろん、ベルリーナー! 中にいろんなジャムが入っている丸いドーナッツで、大晦日のゲームで中に一つだけマスタードが入っていたりする(笑) 今年はマスタードのやつはなし。 プラムの入ったベルリーナーを食べたけれど、おいしかった!


毎年恒例のテレビ(ん十年まえのイギリスのコメディ番組)をみんなで見て、新年がくるまで子供(つってもみんな30前後なんだけど・笑)たちは『オラクル』というおもちゃに専念。 スプーンに入れた小さな鉄をろうそくの火であぶって、溶けたものを水の中にジュッ!と入れる。 冷えて固まった鉄を取り出して、それがどんな形になってるかで、新年を占う、という遊びです。 


新年がきたら、シャンパンで乾杯! ハッピーニューイヤー!!! フォースノイエスヤー!!!! 


シャンパンをグビっと飲んで、大急ぎでコートを羽織ったらお外にダッシュ。新年の花火をやるんです(笑)出かけるときはいつももたもたするヴァイドゥラー家とリーク家(笑) 私たちが近所の陸橋へついた頃は、花火の煙で真っ白!  うちもがんばって打ち上げ花火やってきました。 お隣もお向かいも、みんなけっこうかっこいい花火をぼかすかあげてる割には、うちの、ショボかったです(爆)それでもキャァキャァ笑いながら、白煙にゲホゲホなりながら、しっかり新年をエンジョイしてきました。 やっぱ外国のお正月って、ちがうわぁ(笑)


新年が明けたら、再び『食え食え』攻撃。 新年があけたら、グーラッシュというザワークラウトの入ったビーフシチューをいただくのがリーク家の習慣。 年越しそばみたいな感覚?と思っていたのだけれど、んなことないない(笑) リーク家スペシャルな習慣なので、けっしてドイツ人が年越しスープを飲むいうわけではないそうです。 食べすぎでしんどい思いしながらも(笑)、とてもいい年明けでした。