社会の窓

うちの学校には演劇部があります。 けっこう人気のある学部で、いろんなところから生徒が応募してくるそうです。


その演劇部に所属するお友達の先生が、今学期は舞台の監督をしているらしく、さっそく今日、学校帰りに見に行ってきました。


アメリカの女性劇作家、ソフィー・トレッドウェルの『マシナル』(Machinal)という、1920年代の作品。


日本語での解説は、こちらから↓

松岡和子の<英国劇作家あっち行ったりこっち行ったり>
http://homepage1.nifty.com/shakespeare/gekihyo/gekisaka/gekisaka13.txt


自由への欲望が、人情、評価、思考、判断、仕事、生活、すべてが機械的に動く環境の中で、エーリアンで疎外的なものとして際立たせる作品。  神経質ですべての場面においてナーバスな主人公の演技を通して、観客の機械的な、ありきたりな『自由』というものへの理解へと疎外感を与える、という感じでした。


主人公は神経質で、挙動不審で、不安定で、観客の不信感につつまれます。 その観客の不信感をテコにプロットはすすみ、自由への欲望は正式な手順をおってきちんと処刑されるのですが、主人公へと感情移入できない、不信感を持ち続ける観客は、そこで自分との疎外感を味わう形になります。 


主演の女の子の演技が上手で、彼女の演じる神経質なナーバスさが観客にうまい具合に移転して、落ち着かない気持ちにさせるのです。  


じつは、この舞台がBiribiにとってはじめての演劇。 
いやぁ、よかったです。


舞台にあがっているのは、みんなうちの大学の演劇部の生徒。 コスチュームも大道具も、すべて生徒が作ったもの。 学生がやってるとはおもえない、すごくいい舞台でした。  大人数の大学生をあつめて、ここまで監督しながら作品を作り上げた、お友達の先生にも脱帽。 


私のクラスを以前履修してくれた生徒を発見するのも、また楽しいです。 今日の舞台では、3人いました。 主役の女の子も、Biribiの生徒さんだったのよ。  


初めての演劇鑑賞、すごく楽しかったです。
職員・生徒はタダなので、これからもっと足を運んでみようとおもいます。