社会の窓

今日は、家族そろって遊覧船に乗って観光。 
ベルリンには街中を流れるスプリー河沿いに建っている歴史的建築物を眺める遊覧船があるのですが、私達が乗ったのはもっとずっとローカルなやつ(笑) ベルリンの南西にあたるバンゼーというところから乗って、ゆらゆらと景色を眺めたりするもの。 途中で何箇所かに停まってくれるので、好きなところで降りてカフェでお茶して、次の遊覧船にのることができます。 


かなりゆる〜い観光なので、お客さんの88%は年配のおばあちゃん。乗客の平均年齢、70歳ぐらい(笑)


ベルリンにいる間に、お父さんとお母さんと一緒に小旅行ができたらいいねーと思っていたのですが、ヘンゼルのお母さんには長い距離を歩いたりするのはちょっとしんどいので、遊覧船だったらちょうどいいね、と皆でいくことに。


のんびり、かる〜くお出かけって感じだったんだけれど、そんなわけにはいかないのが、ヴァィドゥラー家。  ヘンゼルの両親+私達の4人だったはずが、さらに倍!(←大橋巨泉ふうに)  総勢8人の家族イベントに(汗)  


去年亡くなったディーターの息子、トーマスと彼女がベルリンに遊びに来ることに。 ディターのパートナー、ベアベルさんも一緒に。 ついでに、じゃぁミシャも(苦笑)  


実は、みんなトーマスの新しい彼女の方がちょっと苦手。 悪い人じゃないんだけれど、共通点がないというか、周波数が違うというか。 トーマスも50歳こえた大人だから、周りがとやかく言えることでもないしね。 みんな、『・・・・ははは』みたいな感じ。 


ヴァィドゥラー家に集合すると、いつも通りにまずひと悶着。
イベントごとになると、みんなコーフンして収集付かなくなるのがお約束のこの家族。 みんな同時に話し始めるし(サラウンド効果・苦笑)、誤解が何重にもかさなって、ぜんぜん話がかみあってないから、『えぇ!! 昨日決めたことと、話がちがう!』と誰かがパニックになって、家族会議が廊下で行われて(今から出かけるって時に、そうなるのよねぇ〜・泣)、やっと出発。 



総勢8人で乗りこんだ遊覧船。 船の後ろのほうに、ちょうど12人分ぐらいの席が他のお客さんから離れたところにあるので、ここがいいわねと腰を下ろすこと5分。 お母さんが、『こっちに座ったほうがみんなが近くっていいわね』と席がえ。  はいはい、と皆で座りなおして15分後に、船のエンジンがうるさくって観光案内がスピーカーから聞こえないから、船の前方の席に座ろうと言い出すお母さん。 (お母さんは、大人数になると落ち着きがなくなる・苦笑)  やっと落ち着いて、頼んだばかりのカプチーノを飲み始めた矢先だったので、トーマスが『落ち着かん!』と、まず切れる。


なんやかんやといいながら、結局みんなで船の前方へ移動。 
なんせ大所帯なので、周りの人たちは結構迷惑そう。 ベアベルさんの隣に座ってたおばさんはかなり失礼な感じで席を移っていくし(それに対してまたみなでそろって憤慨して)、周りに気を使ってか、この辺りの歴史をよく知っているお父さんは静かになっちゃうし(残念)。  


お茶とケーキを食べようと、遊覧の途中でいったん船をおりてけっこうステキなカフェのオープンテラスの席に着いたのが2時ぐらい。 ちょうど遅めのランチの時間だったみたいで、ウェイターの方曰く、『ケーキはまだ焼きあがってません。 3時ごろには焼きあがると思います』。  『前回来た時は、そんなことはなかった』とお母さんが何度も言うので、ベアベルさんがレストランに偵察へ(笑)。 昨日のケーキの残りのチェリーケーキをオーダーしてきてくれました。  


お父さんはビール2杯(一杯500ml!)飲んでちょっとご機嫌。 こうなると、お父さんはオン・ステージ状態。 いろんな話をしてくれるのだけれど、長い(笑) 他の人たちが会話できないでしょ!とお母さんがキレるのがいつものパターンで、ミシャ、ヘンゼル、Biribiの3人はどの辺りでお母さんのしびれが切れるかこっそり気を配りながら、トーマスの彼女が取り残されないように話しかけたり。 


同じく50mlのビールを飲んでるトーマス。 彼は、癲癇の発作で最近病院から帰ってきたばかり。 顔色はよくないし、たまに言葉が引っかかってでてこなくなったりしたりして、こっちも心配でみんなハラハラ。 


ボートから下りたら次はどこで集まるか、再び家族会議。 


チャーチル首相が泊まったヴィラ、とかポツダム会議の前にナチが集まって会議した場所とか、たま〜にアトラクションが現われるぐらいで、綺麗だけれどとくにドラマチックではない景色がつづく、ほんとにのんびりとした遊覧。 帰りのボートでも席替え合戦があったり、ヘンゼルがプチ切れしたり、家族状況のほうがずっとスリルに溢れていて、景色どころじゃない(苦笑) 家に帰ってくる頃には、ヘンゼル、ミシャ、Biribiの3人はぐったり疲労困憊。


隣の芝生はなんとかで、きっとどこの家もそれぞれに問題かかえてるんでしょうけど、うちのはこんな感じです(笑)  みんな正直で、率直で、すごく家族思いなんだけれど、こんなふうにかみ合ったりかみ合わなかったりしながら、泣いたり笑ったり怒ったり。 これはこれでうまくいってるんでしょうね。 家族ってそんなもんかも(笑)