社会の窓

私は自由だったんだなぁ。



子供をもって初めて知りました。


好きなときに好きなだけ本を読んで、何時間もパソコンに向かって、気が向いたときにランチに出かけて、かかってきたときに電話にでて、思いのままに、好きなことして。


フルタイムで仕事しながらフルタイムでおかぁちゃんやって、家事も(いいかげんだけれど一応)やって、お乳タイムとお乳タイムの合間に仕事して、ご飯かっこんで、居眠りして、あっという間に過ぎていく毎日なので、


うがぁぁぁぁぁ 仕事してぇぇぇぇ!!!


と思うこともしばしば。


毎日の授業以外に、来学期の授業の準備も始めなければいけないし(次の学期に使う教科書は今の時期に決定して、もう注文せにゃならんのです)、職員会議やらなんやら、授業以外のお仕事もてんこもりな上、論文も書かにゃなぬのですが、いまは受け持ちの授業をやるので手一杯。 


スリングの中でファビアンを寝かせつかせるために、アパートの中をうろうろしながら参考文献を読んだりしていると、あぁ、あたしは自由だったのだな、と思うのです。



そして、ファビアンが我が家にやって来て以来、自由も新しい形でやってきたのだな、とも実感しているのです。



論文が進まないとか、今日の講義はいまいちだったとか、会議に出れないから他の先生から反感かうかなとか、そんな仕事に関する心配事は、ファビアンの顔を見ているときれいさっぱりぶっとんでいくのです。


ファブの寝顔や、読んであげている絵本をじーっと見つめる顔とか、眠たくてギャオス星人になっているときとか、スリングから興味津々で見上げる顔を見ていると、たいていのことは『まったくどうでもいいこと』にあっさりと降格してしまうのです。


家族が身近にいるわけではないので、二人だけでの子育てはとっても大変です。
気軽に頼れる人が身近にいない環境で手探りの子育てなので、きっと子育ても、仕事・子育て・家事の両立も、ちっとも要領よくないです。 ファビアンは抱っこが大好き。お昼はスリングに入れて抱っこして、夜は抱っこしてもらって寝ています。  抱っこしている間は当然できることが限られるので、とうぜん家事なんかもおろそかになるし、睡眠だって少なくなります。



だけれど、ファブの寝顔をみていると、要領なんてよくなくっていいや。 と思うのです。



仕事は一応一生懸命やるし、論文が進まなければ焦るし、人並みに職場でのストレスもためるし、もうちょと要領よくならなきゃいけないのかなと悩んだりもするのだけれど、抱っこしてもらってご機嫌なファビアンをみていると、『ま いっか』となるのです。  


寝顔だけでこれだけの自由と開放感を与えられるって、赤ちゃんってスゴイ!


要領よくやることも時には必要だけれど、それよりも自分が正しいと思うことをやることのほうが、いまのわたしには大切なのです。 だから仕事がちょっとおろそかになっても、家の中が片付いていなくても、寝不足になっても、やっぱり今日もたくさん抱っこしてあげるのです。