社会の窓

『子育てしてると、自分の思っているとおりにいかないよね。全てが・・・』


じゃぱんのお友達とメール交換していて、そんな話になりました。



ほんと、そうだね。
寝てくれ〜 とか、泣き止んでくれ〜 とか、今起きるな〜とか(笑)


妊娠してからも、ファビが生まれてからも、Biribiもヘンゼルも、育児書みたいなのをほとんど読んだことがありません。 特にポリシーがあってのことではなく、Biribiは読んでみてもいいかなーと思う本は日本の本だし、この辺の本屋に行ったら育児本の数に圧倒されて、それでおなかいっぱいになって家にかえってきたへタレ。 ヘンゼルにいたっては、どうも『育児本を読む』って発想が浮かばなかった模様 ぶっ(←かなり彼らしい)


ファビが産まれてまもなくお友達が、あかちゃんが眠るようになる本、みたいなもんをくれました。 生後○週間ごろまでには一人で寝付けるようにするためには、あれして、こうして・・・・・ってやつです。



一応最初の何章かを読んだんですけど、んー うちには向いてなかったです。
(いつかいい育児本にめぐりあえたらいいなぁ)


そりゃぁ、すんなり寝てくれりゃぁ万々歳だし、早いうちから夜中に起きずに寝てくれたら楽だし、ギャン泣きされるよりは静かなほうがいいんですけどね。 


仕事でも家事でも、普段の生活って自分の欲望や他人の行動、環境の影響をコントロールすることがメインじゃないですか。 あさってのミーティングで困らないようにこれを今やっておこうとか、部長はあのプロジェクトを気にかけてるから、何々しておこう、とか。 結局は、いろんなものをコントロールしながら未来をできるだけ予測可能なものへと圧縮することに終始してるんじゃないでしょうか。 それはそれで生活に安定を与えるし、仕事したり生活していく上で大切なスキルなんですけどね。


ファビアンと一緒にいると、自分のコントロール欲と向き合う機会がめっちゃ増えるわけで(笑) そうやって自分の欲と対面していると、子育ってベビーのリードを信用してついていく修行なんかなぁ、と思うようになりました。 


ファビアンは6ヶ月になったけれど、でも6ヶ月前までは水中の生き物だったわけで。しかも、まだ水の中にいた時間のほうが、はるかに長いわけだし。 産まれて、肺で息して、こうして私たちを一緒に生活してるって、要は魚が陸に上がるのと同じぐらいラディカルな存在形態の変化じゃないですか! 産まれるって、すごいことだね!!!  しかも、ほんの数時間でその変化をとげるんだし。 


そう考えたら、そりゃぁ新しい世界で戸惑って泣くのも当然やね〜  まだ目もちゃんと見えないから、そうだよね、めっちゃ不安よね。うんうん。 




(ギャン泣きするファビをボーゼンと立ち尽くして見つめながら、こっちが泣きたくなることもしょっちゅうあったけど・笑。 ふんと、最初の数週間はばりばり泣かれたなぁ・・・・・・) 



寛容な気持ちを比較的もてたってのは、Biribiの出産が夏休み中で、ヘンゼルがずっと一緒にいてくれることができたおかげでもあります。



ベビーを私たちの生活の型にはめ込もうとする前に、いちどヤツのリードについていけるところまでついていこう、と思いながらの6ヶ月。 



抱き癖がつくから、抱っこばっかりしたらだめよ〜』とか『抱っこしてたら家事できないじゃん』とか言う人、周りにいたんですけどね。  



抱き癖上等! 
生まれたばっかのベビちゃんを泣かせてまで、家事したくないし♪ 
(っつーか、子供いなくても家事したくないし・笑)


水中動物から陸上動物に変化したんだよ! 
そんな一大事を達成して生まれてきてくれたんだから、だっこぐらいいくらでもしちゃるよ。 だっこぐらいしかできずに、すんませんって感じよ(笑) 


なので、傍目からみたらめっちゃ要領の悪い子育てだったと思います。
(ファビがまだ3ヶ月ぐらいのとき、抱っこして寝てるって言ったら『ありえない』って友達に言われたし。アメリカだから添い寝でもけっこう驚かれるし。 これも要領悪いうちに入るんやろうね)


いいの。要領悪くても。 
効率よくなんて、ヒトなんて育てらないし。 観葉植物じゃないんだから。 



ファビのリードについていって、6ヶ月。
そろろそ、ヤツの信用を得ることができたかな? 


これから一緒にすごしていくために、ファビにも少しづつ私たちの生活の型になれていってほしいなぁ、という思いでデイケアの日数を増やしたのですが、正解でした。


新学期がはじまってからまだ1週間しかたってないけれど、なんとなく生活のリズムのようなものが出てきました。 夜も比較的早い時間に寝てくれる用になったし(そう書いて、この間は1時半まで寝てくれんやったけど・笑) 


目の前にいる、生きた人を『あーしてほしい』 『こーせんかい!』ってコントロールしようとしないって、難しいですね。 コントロールしようとしてる時点で、生きた人としてちゃんと扱ってないのかもなぁ。  


Biribiの修行は、まだまだ続きそうです。