社会の窓

私の最近の「第二の住処」は、Muddy Paw Cheesecakeというチーズケーキがたくさんおいてあるコーヒーショップ。新たな勉強場所を開拓!と、ここ2,3日、お昼過ぎから夕方にかけて、3,4時間ほど博論を書くためにラップトップをもって行く。


170種類のチーズケーキがウリなので、たぶん基本の収入源になってるビジネスは結婚式などのケータリングのよう。 だって、いつ行っても、ガラガラに空いてるんだもん。 だから、行くんだけどね。


いつ行っても席はあいているし、パソコン用の電源も比較的確保しやすいし、わりと静かなので、最近通うようになったのだけど、初日から、どーも気になっていることがある。


それは、店員の人が、フレンドリーすぎる、ということ。


まぁ、「How are you doing today?」などの「あいさつ」は、よしとしよう。
が、2日目からやたらと、満面の笑みでのスモールトーク(世間話?)が増えていかん。

 
「あ、今日はランチも食べるの?」


「また、今日もいらっしゃい♪」 


「昨日飲んでた紅茶はどうだった?」


「今日はちがう種類の紅茶にするのね」


「このお茶はね、緑茶の一種で・・・・」




うぜーーーーーーー!!!!!




愛想は悪いほうより、良いほうがいい。
が、あたしはカフェに友達を作りに行ってるわけじゃない。「ただの一人の客」でいたいのだ。 


それに、「せっかく」親切にフレンドリーに接してくれているのに、ものすごくできるだけ手短に返事をしていると、じわじわ罪悪感を感じてくる。 っつーか、親切を押し売りされているようで、ゲンナリするし、正直、逆に無言ながらに悪態つきたくなる衝動を抑えるのが、めんどくさい。 顔前面に、「おめー、うぜーよっ」って表情が出ないように隠すのも、めんどくさい。 てゆーか、なんで客のあたしがそんなに気をつかわにゃならんのだぁ?


なぜ私がこんなに「フレンドリー」を倦厭するのには、それなりに理由がある。
長年(?)コーヒーショップで勉強していると、いろんなことがある。
一定のカフェに通いだすと、それなりにレギュラー(常連)になるので、店員さんや、他の常連の人たちから、それとなく注目される。


そんな中から、世間話する機会も出てくるし、少しずつお互いを知ることになる。常連の中には、友達になったり仲間になったりする人たちも、たくさんいる。 それ自体は、決して悪いことではないと思う。 ただ、私はその『輪』の中に、出来るだけ入っていきたくないのだ。私にとって、コーヒーショップはあくまでも第三の仕事場であって、友達を作りに行く場所では、ない。 


が、話しかけられたら、邪険に無視するわけにもいかない。
2、3年前、キャンパスのそばのCafe Royalというコーヒーショップで毎日のように勉強していた。ここには、5〜6人の常連がいて、いつもチェスをやっていた。 まだ私のガードは甘ちゃんだった。そのうち、この常連のひとたちと話すようになって、私は勉強がまったくできなくなった。 なにせ、彼らは時間がたくさんある(ようだ)。 失礼だが、つまらない話をしに、私の席まできて、私の時間を奪っていく。 


めんどくさくなってきたころ、そのうちの一人に、ストーカーまがいの目にあった。 こいつは「君はなんで、あの人としゃべるの! 彼としゃべるんだったら、君とは友達なんかでいられない!」なんて、素っ頓狂なことをのたまいだした。 この時点で、「こいつヤバイ」レベル100確定。 こういう問題の解決(というか、回避)の方法は嫌いなのだけれど、私は別のカフェへと移動し、Cafe Royalへは行かないようにした。 それでも、そこを通るたびに、こいつがいて、いやな思いを何度もした。私は、歩く道順も、変えた。


結局何の解決にもならないのだけれど、こういう現実を勝手に想像して、勝手に怒るヤツに対応するのは、こいつの前から存在を消すこと意外に、考えられなかった。簡単に言うと、理論的よりもなによりも、「はなしてわかる」んだったら、はじめから『ヤバイ』ようなことは、言わないはずだ。 でも、意図的にこのカフェや通り「避ける」ということは屈辱的だった。 なんであたしが・・・とも思った。


この件とは関係なく、私は引っ越して、それ以来何事もないが、それ以来、私はカフェで話しかけられるたびに、ガードが上がる。きっと全く悪意のない人なんだろうけど、でも、ウザイと思う。


以前の経験と関係なく、ウザイと思うのは、ただ単にあたしの根性が不精でひねくれているせいだろうけど。