社会の窓

今日はオバマ氏が大統領に就任する日、朝からコーフン気味にインターネットで(我が家にはテレビがないので)就任の儀式の模様をみています。それにしても、リアルタイムで映像が流れるって、インターネットってすごいね。


就任演説の前の誓いの言葉では、ちょっとずっこけてましたが(笑)、オバマ氏の演説、よかったですね!

スピーチとテクストは、こちらから↓
http://abcnews.go.com/Politics/Inauguration/story?id=6689022&page=1

日本語訳は、ぶんさんのところから、どぞ!
http://bunsblog.exblog.jp/tb/9230073

就任演説としてはかなり短いほうだと思うのですが、クリスプで的確で、欺瞞的な希望に満ちてなくて、現実的な深刻さもきちんと反映しててよかった。 彼の演説みてたら、ブッシュなんてピーナッツだね。


演説については、きっといろんな人がいろんなところで批評しているでしょうから、オバマ氏の紹介のスピーチについて、ちょっと思うことを。



オバマ氏が米大統領になったということは、アメリカの歴史の中では大事件です。とくに人種問題の文脈においては意義の深いことです。


が、オバマ氏を紹介するときに、ありとあらゆる人が彼を『黒人』として紹介し、『黒人』としての初大統領として賞賛するのですが、彼は白人とアフリカ黒人の混血です。 



つまり、Hybridityを祝う瞬間でもあるのです。 



黒人の市民権、そして人種問題の歴史の中で、オバマ氏を黒人の歴史の偉業として取り入れていくことは大切です。だけれど、それだけでは不十分なのでは。 


オバマ氏の就任演説の前にカリフォルニアからの牧師さんが祈祷しましたが、彼も、オバマ氏を初の『黒人』大統領として称えました。 


黒人にも白人にも、どちらにも還元できないような存在であるのが、オバマ氏ではないでしょうか。 二つの人種、見方、歴史、どちらかひとつではなく、二つが共存する希望と可能性を象徴する存在だとおもうのです。 



ハイブリディティを、共存の可能性を、新しいアメリカ社会の歴史の可能性として体現してくれる大統領であればいいなと願います。