社会の窓

4回目にして、たくさん観光することができた今回のベルリン旅行。 
コルヴィッツ美術館やネプチューン噴水で彫刻に興味を覚えて、ペルガモン美術館で古代ギリシャ・ローマ時代の建築物や彫刻に身体が震えて、いくつかのホロコーストメモリアルに触れて、メモリアルの役割に疑問を持ったり。 観光を通して、普段の生活ではスルーしてしまう美術や建築を見直す、とてもいい経験をしました。


そして、私たちの経験を最も豊かにしてくれるのが、ヘンゼルの家族と過ごす時間。  


今回も、私たちが滞在したフラットの家賃はお父さんが出してくれました。ヘンゼルのおじいちゃんが残した株があるそうで、それを使ってアパートの家賃や、1ヶ月バス、地下鉄、電車を自由に乗れるパスを買ってくれたりしています。 


やっと社会人になったことだし、Biribiとヘンゼルは家賃も含めていくらかお金を置いくつもりだったのだけれど。 ベルリンについて数日後、晩御飯の後におしゃべりしているときに分かったのは、これがお父さんなりのお金の使い方なんだ、ということ。  


うまく言葉にできないけれど、お金を置いていこうとすることで、私たちはお父さんが自分のお金をどう使うべきかを暗黙に指示しようとしていたのかもしれません。 お父さん曰く、相続した株は子供のミシャとヘンゼルが必要なときに、そしてめったにない家族みんなで集まれる時間のために使うのが一番妥当なことだと考えているようで、子供が親の世話をする、という考えは嫌いなようです。 おしゃべりしているうちに、フラットの家賃の分であれ、お金を置いていくことはお父さんに対しては失礼なことだ、ということがわかってきました。


この状況の下では、どうやって親孝行すればいいんだろう? 


ヘンゼルと話した結果、私たちにできる最大の親孝行は、色んな形でヘンゼルの両親・家族、お友達から贈られるもの、今ここにいなければ出来ないたくさんの経験を、ありがたく受け取ることなんじゃないかと思うのです。 贈り物の上品な受け手になること。 簡単ではないけれど、与えられるものを上手に受け取ることが一番の親孝行なのかもしれません。  


私たちを迎えることで、たくさんの人たちが大きなものを与えてくれました。 たくさん笑って、おしゃべりして、ご飯を一緒に食べて、議論したり、Wiiやったり、ケンカも、疲労も、溜息も、一緒にすごす家族がいるから経験できること。 日本とドイツへと旅するたびに、私たちはたくさんの人に囲まれて、豊かになっていきます。 私たちは、このために、旅をするんだな。 


旅をするたびに散財するけれど、この家族やお友達とすごす時間のために、またしっかり働いて、旅を続けようと思います。 ビバ☆ファミリーライフ。  たくさんのハッピーを抱えて、ベルリンを後に。