社会の窓

じゃぱんにいる間、ファビのんが熱を出したので、小児科へ2度行きました。
診断は、『中耳炎になりかけだから、抗生物質のお薬出しときますね。 咳が続くようだったら、喘息を引き起こさないように、吸引のお薬を続けて使ってくださいね。』

もちろん日本の保険に入っていないので、全額自費だったのですが、診察料が一度目は6500円、違う小児科で2度目は3800円。
たしか、ベルリンで小児科に行ったときも、5000円ぐらいだったな。




安い!!!!




以前書いたように、子供用の目薬が1万円を越えたりするアメリカの医療からしてみれば、全額自費でこの診察料はめちゃくちゃ安くみえるのです。




じゃぱんに帰る数日前、ちょっと風邪気味みたいだったので、3歳児検診も兼ねて小児科へ行ったのですが。




職場を通して入っている保険では、診察内容にかかわらず、大人でも小児でも1回の診察料が1500円。
健康診断でも、マタニティーでも、予防接種でも、お財布から出て行く金額は同じなので、ふだんはどれぐらい医療費がするのかというのは身近に感じません。 (健康でありがたや)



保険会社からきた保険料の内訳をみて、発狂しそうになりました。



1.  健康診察 5800円
2. 予防サービス(ファビの咳の診断なのかな?) 14500円
3. 神経系のためのテスト(なんだこりゃ? 中耳炎のための処方のこと?) 9800円
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合計: 3万100円





は?



なんでこげな料金になっとるとね?



おかしくなかね?



なんだか、悪徳商人というか、ペテンににあった気分。



アメリカのお医者さんは医療ミスなので訴えられたりしたときのために、高額な医療ミス保険に入っています。
これも医療費が高い一因です。 (もっとたくさん要因もあって、これはほんの一部ですけどね)



保険に入れない人たちはアメリカにはたくさんいます。
インフルエンザにかかっただけで、たぶん収入の一部が軽くふっとぶ額の医療費になります。  


2年前、受け持った生徒さんから聞いた話です。


彼の叔母さんは大手の某車メーカーに勤めてたそうですが、乳癌にかかり、治療しながら仕事をしていました。そのうち抗がん剤の投与などで勤務に差支えが出てきたので、会社を辞めざるをえなくなります。


会社を辞めると保険がなくなるので、最終的には医療費が払えなくなってしまい、治療を今までどおり受けることができないまま亡くなりました。


オバマ大統領は健康保険制度の改革にチャレンジしたけれど、やっぱり共和党との交渉にじわじわと削られて、けっきょくは何も大きく変えることはできず。


90年代の前半にヒラリークリントンが健康保険の話をしてたときは、だれも耳すら貸さなかったから、党の課題として保険問題を前面化できただけでも時代的進歩派あったのかもしれないけれど。



今でもオバマ政策に大反対の人たちをみていると、どうしてそんなに今の雇用に自身がもてるのかが分かりません。



もしリストラにあったら、どうするんだろ?



子供が骨折しただけで、何万円もするのに。 
だれも、いつまでも健康でいられるわけないのに。



どうして、医療制度にたいする怒りが政治化しないんだろ?
この怒りを集結できないのはなぜ?
社会運動の可能性って、どこへいってしまったのだろう。