ロトルア小旅行 最終日

......うぅ・・・昨日のラフテリングで筋肉痛になってる・・・・


10時にチェックアウトしてガタピシいう体に鞭打ちながら(←アホ)ブランチを食べに行く。Relishというかわいらしいイタリア系のお店で、トースト、ベーコン、ソーセージ、目玉焼き、等々のボリュームのある品を二人でシェア。 ついでにダーリンはピスタチオとジンジャーのケーキ、私はオレンジ・マスカルポーネケーキをデザートにいただく。このオレンジのケーキが最高においしかった! 


最終日の今日はロトルア市街から車で20分ほどのところにあるBuried Villageというところへ。ここは1886年のテラウェラ山の噴火によって文字どおり灰と泥に埋められた村。この村のちかくに有名な観光・温泉地があり、早くからマオリがイギリス人を相手に観光を生業にし始めた場所。急速な村の変化を観察していた当時の村の賢者みたいな人が、「たたりがおこる」と予言していたそう。 その予言を象徴するかのように、ある日先祖の武者たちの乗ったカヌーがあるとき湖に現れて消えていく。 その後しばらくして、テラウェラ山の噴火。全部で120人が死亡したとのこと。 予言をした村の賢者は噴火の灰と泥に家ごと生き埋め状態になりながらも、100歳という高齢にもかかわらずそれでも生き長らえていたらしい。 そのときマオリの村民は「気持ちが悪い」とか「この幸いは奴が起こした」とか言って、この予言した賢者を助け出さずに、なんと! ほったらかしにしておいたそうな! 最終的にはヨーロッパ系の移民によって助けられたらしいけど、それにすても、すごいハナシやね。気色悪いからいきうめにしとけ〜!なんてさ。 すんごい人間くさくってウケたよ。


この埋められた村を再発掘して観光用に整備したのがBuried Village. 散策コースにそって掘り起こされた家や家具なんかを自然に沿って周る形になっている。途中に滝があったり、見渡す限りの森があったりして、自然の散歩道としては楽しかった。歴史的な場所としては、特に感慨が沸かなかったなぁ。 別に1880年代の出来事が「最近」だからというわけでもないけど、掘り起こされたスコップや馬具やガラスの瓶なんかから、想像力を掻き立てられなかったんだな。


散策コースの出発点かつ終点にある美術館でなんとなく考えたこと。
前述のマオリ預言者と、もう一人の英語とマオリ言語を巧みに操って観光業の成り立ちに貢献したマオリ女性のことがとくに大きく取り上げられている。当時歴史的に重要な役割をしたとされる二人のマオリたちは噴火災害を生き延び、その後の生活なんかも詳しく紹介してある。彼らの話はここだけではなく、ロトルア中の歴史観光施設のどこででも触れられている。 


このマオリ民族を称え祝福するなかに、どこかかならず「ヨーロッパ」、もっと厳密にいうと「失われたヨーロッパ」の影がちらちらする。 ここの美術館を例に挙げて言うと、ほどんどが死んだヨーロッパ人の当時の生活を示すもの。展示品を紹介する説明も、いかにヨーロッパ人が苦労したか、どんな生活をしたか、そしてどうやってこの災害の犠牲者になったか、ってことばっかり。この歴史的物語からは、何人のマオリ民族が死んだか、当時のマオリは何を考えていたか、どんな生活をしていたか、そんなことは微塵もわからない。 つまり、この災害のヒーローは、予言し、産業を支えたマオリ二人である一方で、失われていったヨーロッパ人たちでもあり、後者たちの「偉業」は明確に語らないという形をとりながらも、明らかに存在されている。 言いかえると、マオリたちがスポットライトを当てられるスターなんだけれども、その影は、失われたヨーロッパ人の形をとっている。


そんなことを話しながらダーリンと歩き、最後にティールームでお茶休憩。


Buried Villageを最後に、オークランドへの家路につく。
無事に家に帰りついたら、近所にある焼き鳥屋さんKEN’sでサッポロビールをのみつつ、かにクリームコロッケを食べる。ダーリンはつくねにご執心。おいしいらしい。最後にアイスクリームを食べて、おやすみなさい。 明日はもう大晦日だねぇ。