社会の窓 明日の記憶
以前にも書きましたが、いよいよ「明日の記憶」が劇場公開されるようですね。
Yahoo!のエンターテイメント欄でも大きな記事でとりあげられています。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060514-00000016-dal-ent)
この映画の説明文の一部に「若年性アルツハイマーをテーマに夫婦の絆を描いた荻原浩氏の原作」とあります。
私は文学のこととか文芸批評のことはよくわからないのですが、原作を読んだとときの私の印象はけっして「夫婦の絆」ではなかったです。 むしろ、原作を読んでいて感心したのは、奥さんであっても、娘であっても、だれにもとどかない、だれともきっちり結合できない、そんな主人公の「げんざい」という立ち位置でした。その少しだけのズレ感がすごく効果的に孤独感というか、そういうものを感じさせてくれて、読みながらボロボロ涙がでました。
映画化するにあたって、テーマというか物語の展開の焦点が変えてあるのでしょうね。 ただ、残念だなぁ、と思うのは原作の、感動というか、なにか心に伝わるものが、「夫婦の絆」という形でしか伝えることができなかったのかなということです。 原作には夫婦の絆どころか、二人は必ずナナメにすれ違っていくようなのに・・・・・ 結局は樋口可南子演ずる奥さんの「献身的な愛」みたいなものから、観客の涙は誘い出されるのでしょうかね。 原作はもっと他の形で涙くことを経験させてくれたから、ちょっと、がっかりかな。ま、観てみないとわからないけどね。
どなたか、映画を観られた方、どんなかんじだったか、おしえてくださいね。