社会の窓
夏学期終了! 濃い3週間だったわ。
期末試験も無事にすんで、月曜日に成績を大学に提出したら完了。 毎日とはいえ、3週間だと生徒たちがやっと発言することにためらいがなくなってきたころに終わらなきゃいけないから、残念。
今学期、生徒たちの一人にいたのは、20年前にここの大学に在籍していて、卒業せずに就職してフライト・アテンダント(スチュワーデス)になった子持ちのお母さん。 ノース・ウエストで現在も国際線に乗ってお仕事しているらしい彼女は3週間休暇をとって、私の教えるクラスを最後に、20年後の今年、卒業するのが目標なのだとか。
とにかく20年も学生の生活から離れているから、コンピューターの使い方からインターネットの操作まで、知らないことだらけの彼女。しかも、小論文の書き方なんてとっくに忘れているから、すべて一からはじめなきゃいけない。 私の教えるクラス文化批評を主にするから、文・哲系の語彙や考え方が一般教養などで身についてないと、ちょっとしんどいはず。
それでも彼女、ちゃんと勉強して、きちんと質問して、理解したことを自分の言葉で表現することをいとわずに3週間がんばり続けた。正直言って、ふつうのどの学生よりも勤勉で学ぶことに真摯な姿勢に感動したよ。小論文の書き方がいまいちだからちゃんとドラフト書いて事前に私にみせて、私のコメントを元に書き直ししてライティング・センターという書き方をマンツーマンで教えてくれるところへ行って、ものすごくきちんとした小論文を2本提出した。
「朝5時までかかったの〜」といいながら新しいことをどんどん吸収しながら、それでいて学ぶ姿勢が悲痛でないところなんか、すごく尊敬する。こういう人、ステキだなぁ、と思った。 そして、彼女のように20年後に大学にもどってくることが出来るアメリカの大学のシステム柔軟性は、すごくいいなぁと思った。 日本でも、大学がもっと一般に開放されれて、いろんな地域や人たちとつながっていくといいのにね。