社会の窓

今日はディーターのお墓参りに行ってきました。
ツェーレンドーフ(Zehlendorf)というベルリン南西にある地区で、戦後アメリカ占領軍が駐在した地域にディーターのお墓はありました。ディターと4歳下の妹にのママが育ったアパートのすぐ側です。 


凄く背の高い木がすっきりと並ぶ下に、きれいに手入れされた植え込みにそって続く石畳を歩いていくと、ディーターのお父さんとお母さん、それに彼の以前の奥さんの眠るお墓があります。 


ドイツでは土葬と火葬のどちらかですが、ディターは火葬されたたあと、ほかの家族と一緒に今のお墓に入ったそうです。 手前に飾ってあるまつぼっくりは、ママが選んだもの。今は冬の湿度で閉じているけれど、暖かくなったらかさが開くそうです。既製品のリースなんかよりも、自然のものが一番ねとママが言いながら、ディターのお墓にお花を飾っていました。 今日は、ママ、ダーリン、Biribiの3人から1本ずつ、赤いバラを飾ることにしました。 


4年前に実のお母さんを亡くしたディーターとママ。老人ホームにいるお母さんが亡くなった後、兄妹で一緒にお墓参りするたびに、お母さんが眠るお墓の側にある石段に座っていつも二人でおしゃべりしたそう。とても寂しそうに、涙をこぼしながらはなしてくれます。 


『ディーターはいっつもあたしのお小遣いを盗んだのよねぇ。どんなに隠しても見つかるから、一度わたしのお小遣いを小さい箱にいれて煙突の裏に隠したんだけどね、それも見つかったのよ! 』 


『小学生の頃なんて、「鬼とか悪魔からカーリン(ママ)のこと守ってやるから、代わりに守り賃払え」なんて言ってあたしのお小遣い巻き上げてたりしてたのよ(笑)』


バスにのってママのフラットに帰ってきた後、カプチーノをいれてもらって、3人でのんびり。 


『あそこの墓地ね、いろんなセレブが入っているのよ。ドイツで有名な家具屋さんの○○とか、詩人の△△とか、◇◇とか(名前失念)』 


『んじゃ、ディーターも楽しくやってるかもね(笑)』


ディーターの話をするたびに みんな涙でいっぱいになるけれど、のんびりしたとてもいい午後でした。